Project Description

山梨県の甲府市内にオープンした、恩の時-別邸-は、昨年の本店に続き、2店舗目となる、割烹/小料理店である。

まず、店内に上がる階段の壁面において、縁起物の象徴である亀と鶴のアートディスプレイが迫力ある姿で、来客者を迎え入れる。

今回、デザインするにあたって、店内で最も価値のある場所をカウンターと捉え、特注製作した組子パネルを、下がり天井面に施し、洗練された仕上がりで演出。

また、肘掛の付いた着物柄の椅子は、ゆったりした座り心地で「食」を楽しむことができる。

そして、通路天井には、長さの異なる約1000本の黒竹を18列に分けて細かく寸法調整をしながら縦に配列し、天井面を躍動しながら波打つように表現している。

個室の天井にも、水平にした黒竹を曲線に沿って天井から壁面へ連続性を持たせながら配置し、黒竹の持つ素材感を生かした。

今回、お店で提供される料理は、「和」をコンセプトにしながらもジャンルにとらわれない創作割烹なので、店内も「和」を背景にしながらも、伝統にとらわれない新たな切り口でのデザインを心がけた。